効率的な学習法がわかる”ラーニングピラミッド”とは
2023.10.24 (最終更新:2023.11.30)
「勉強していてもなかなか頭にはいらない」という経験をしたことはありませんか。これは、自分自身が悪いのではなく、勉強方法に問題があったからかもしれません。そしてこのような問題を解決するものとして注目を集めているのが、ラーニングピラミッドです。ラーニングピラミッドとは能動的に学習すればするほど定着することを図示したものです。
ラーニングピラミッドの7段階
これは、学習方法を7つのグループにわけ、定着率順に並べたものです。講義や読書など受動的な学習方法はあまり定着せず、自らが体験することや他の人に教えるといった能動的な学習は定着率が高いことがわかります。ただし、この定着率の数値には根拠が発表されておらず、信憑性が低いのではないかという意見も出ています。たしかにこの数値の根拠となるようなデータが明示されているものは特段ありません。では、ラーニングピラミッドは間違っているのでしょうか。一方的に講義を受ける授業スタイルよりもディスカッションやプレゼンテーションを交えた授業スタイルが推進されている現状を鑑みると数値にこそ根拠はないもののラーニングピラミッドの示す主張は間違っていないと思えます。いかがでしょうか。
アクティブラーニングの実践
では具体的にはどのように実践されているのでしょうか。
能動的な学習方法、いわゆるアクティブラーニングは現在の教育現場で大変重要視されています。
大田区立矢口小学校
矢口小学校では「課題を発見していく力」、「見通しを持って、自ら考えていくことができる力」、「学んだことを振り返ることができる力」を養うため、学区内の地域の探検を行い、感じたことや気づいたことを共有する学習プログラムを設定しました。
生活科の時間に探検を行い、国語科の授業で文字に起こす作業をすることで表現する力を育んでいったと担当職員は述べています。
広島県立可部高等学校
阿部高等学校では、外国語を通じて積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成のため、英語を用いてコミュニケーションを図る場の設定に着目しました。学習した内容をプレゼンテーションしたり、意見を交換しあったりすることで相手に伝わるように発表する力や自分の考えを表現する力を身に着けたと担当教員は述べています。
以上2点の事例からもわかるように、机上で学ぶだけではなく、その後自らの体を動かして学習することは現在の教育現場で非常に注目されています。
このような状況を鑑みると、ラーニングピラミッドが示している能動的学習方法は定着率が高いという主張は間違いではないといえると思います。
3. 企業内教育での活用方法
教育現場だけではなく、企業内教育で能動的学習方法を取り入れるにはどうすればよいのでしょうか。
ラーニングピラミッドでもっとも有効的だといわれているのは”他者に教えること”です。
例えば、アプリケーションを使用して研修の感想や学んだことを共有することもこれに値します。社内の情報共有に特化したアプリケーションも存在するため、活用してみるのもよいでしょう。
研修の講師を社員が行うことも有効な手であると言えます。研修を行う社員をローテーションすれば、社内に学習が定着している社員が増えてき、社員のスキルの底上げが見込めます。
また、他者に教えること以外の能動的学習方法もいくつか存在します。
その一つがケースメソッドです。これは実際に起きた事例を教材とし、討論を繰り返しながら問題を解決していくというアクティブラーニングの一種です。ケースメソッドを行うことで問題解決能力や意思決定能力の育成、企業事例や業界情報の知識習得などが期待できます。
以上のように能動的学習方法は企業内研修にも取り入れることが可能です。また、一つの施策だけではなく複数の施策を組み合わせることでより短期間での効果が期待できるでしょう。
4. ラーニングピラミッドを活用して効率的に学習しよう
机上で知識を詰めこむだけではなく、自らの体を動かして体験したり他者と交わって学習したりすることでより学習の質をあげることができます。紹介した以外にもさまざまな能動的学習方法がありますので気になった方は探してみてください。
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