【4/16】人間の各発達段階に応じた包摂的・民主的な支援とは? ー発達理論の父ジャン・ピアジェの理論から読み解く を開催します
2024.3.1お知らせ
多様な個性・性格・特性を持ち、発達段階も異なる子どもたち・大人たちに対して、教育者・支援者は何を根拠に、どのようなアプローチをすれば良いのでしょうか?この問いについて考えるためには、まずわたしたちはみずからが直面する問題の本質を理解することが求められます。子どもたち・大人たち一人一人が持つ独自の個性や学び方(学習方略)、そして、学習という営みの質に決定的な影響をもたらす発達段階—-これらはわたしたちが子どもたち・大人たちに対して教育的支援を提供する際に検討すべき重要な要素です。
しかし、これらの多様な要素を総合的に把握して、そうして得られた洞察にもとづいて効果的な教育的支援を実際に実践していくことは、決して容易なことではありません。そもそも人間の学びそのものが本質的に周囲の環境との交流の中で生起するものだからです。わたしたちは子どもたち・大人たちをひとりの自律した個人として眺めるだけでなく、あたえられている環境の影響下で鼓舞されたり、啓発されたり、非難されたり、抑圧されたりすることで自己を形成していく存在であることにも留意する必要があります。とりわけ、今日の流動化する社会状況の中では、子どもたち・大人たちの成長はこれまでの時代以上に社会規模で起きているパラダイムの変化に晒されて展開することが予想されます。
現在進行形で社会の地殻変動が展開している状況の中では、子どもたち・大人たちに対して確固とした学習と成長の道筋を示すことが難しくなるために、支援を提供する教育者・支援者自身がみずからの価値観や世界観を批判的に内省・修正しながら支援のアプローチを創出していく必要があります。
本セミナーでは、発達理論の父とも言われるスイスの発達心理学者ジャン・ピアジェの理論を紐解きながら、複雑・多様な現代社会において教育者・支援者に求められるスキルやアプローチを考察していきます。
教育哲学を専門に、認知科学・ 学習科学の知見を取り入れながら学校教育のカリキュラムデザインの教育研究と実践支援に取り組む桐田 敬介氏と、発達心理学・インテグラル理論を専門としながら、企業組織の人材育成と組織開発の領域においてプログラムの設計やコンサルティングを行う鈴木 規夫氏、子どもから大人まで幅広い世代を対象とした教育プログラムの設計 ・運営に携わる後藤 友洋氏による対談で、乳幼児期から思春期までの発達の段階に焦点を当てるジャン・ピアジェ理論を紐解いていきます。 2024年5月より、ジャン・ピアジェを基礎からより深く学ぶことのできるプログラムも企画しています。 詳しくはこちらを参照ください。
セミナーの詳細
○日時:4/16(火)19:00-20:30
○価格:
①当日オンライン参加 無料
②アーカイブ 1500円(視聴期間1ヶ月)
※アーカイブは翌営業日にお申込みの「法人アドレス」宛にご案内予定です。
○定員:50名
○形式:オンライン/ZOOM
■プログラム
19:00-19:05:本日の流れ・講師紹介
19:05-19:35:桐田敬介氏による講演
19:35-20:25: 桐田氏・鈴木氏・後藤氏による鼎談セッション・Q&A
20:25-20:30: 講師から本日のまとめ・ご案内
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講師紹介
■桐田 敬介
上智⼤学共同研究員
よはく代表
専⾨は、⽶国コロンビア⼤学に勤めた教育哲学者であり、多様な背景を持つ⼈々とアート・センター等での哲学教育、アート教育を実施したマキシン・グリーンに関する研究。関連して学校教育、探究的なカリキュラムデザインの教育研究と実践⽀援に取り組む。芸術、教育、哲学の場づくりを通じて公共を醸成するため、教育者向けに探究に基づく哲学対話、カリキュラムデザイン、アートワークショップのプロジェクトを実施しつつ、教育機関でのカリキュラムデザインやコンサルティングなどを⾏う。上智⼤学⼤学院総合⼈間科学研究科教育学専攻博⼠後期課程単位取得満期退学。代表論⽂に「声の多元性、複数の現実性、その衝撃——マキシン・グリーンの文芸的アプローチとアーツ・セントラリティをめぐって」(『教育学研究』第90巻4号)。
enfac出演コンテンツ:『哲学対話入門』
■後藤友洋
一般社団法人Integral Vision & Practiceフェロー
株式会社トモノカイSTEAMアカデミー シニアコンサルタント
大学時代にケン・ウィルバーのインテグラル理論に出会い、 それ以降、 インテグラル理論のフレームワークを用いて独学で哲学、心理学、 文学などの探究を続けている。 それらの学びを教育の実務に応用することで、 人間と社会の健全な発達を促進するための新しい教育の方法を構想 ・実装することをミッションとしている。 大学卒業後は国語専門塾において6年間リベラルアーツ教育を担当 。現在は株式会社トモノカイにおいて、 子どもから大人まで幅広い世代を対象とした教育プログラムの設計 ・運営に携わる。
■鈴木 規夫
一般社団法人Integral Vision & Practice代表理事
California Institute of Integral Studiesで「個人・組織・ 社会の可能性を解き明かすための統合理論」 としてインテグラル理論に関する研究に取り組んだ。帰国後は、 インテグラル理論の普及に従事する傍ら、 人事コンサルタントとして企業組織の経営者育成を中心とした人事 関連プログラムの設計と統括に従事している。 成人発達理論に関しては、発達心理学者のSusanne Cook-GreuterやTheo Dawson等に師事し発達段階測定と発達志向型支援に関する訓 練を積むと共にこれまで約20年にわたり実務領域におけるこの理 論の応用と実践に取り組んでいる。
翻訳書: ケン・ウィルバー著『INTEGRAL LIFE PRACTICE』(日本能率協会マネジメント・センター)
著書:
『インテグラル理論入門』(I & II)(共著)(春秋社)
『インテグラル・シンキング』(コスモス・ライブラリー)
『入門 インテグラル理論』(共著)(日本能率協会マネジメント・センター)
『人が成長するとは、どういうことか』(日本能率協会マネジメント・センター)
enfac出演コンテンツ:『企業における成人発達理論』